通常の管理費

中古マンションを購入したところ、管理組合から売主が滞納していた管理費支払いの督促を受けたような場合、どう対処していけばよいものでしょうか。マンションの共用部分や共有施設、さらにその敷地の維持管理に充当するための費用が管理費です。この費用は区分所有法第19条の規定により、各区分所有者はその持分に応じて負担する義務を負っています。管理費の滞納は区分所有者としての債務不履行となり、前所有者が管理費を未納のまま区分所有関係から離脱すると、区分所有法第8条の規定から新たな区分所有者たる特定承継人がその債務を引き継ぎ、滞納管理費の支払いを求められます。管理費とは別個に徴収される大規模修繕費にも注意しておきたいものです。建築後かなり経過しているマンションではリフォームを行い、外装や給排水管等の装いを新たにして建物の維持管理に努めています。こうした費用は区分所有者から徴収されていますが、必ずしも前所有者が支払っているとは限りません。こうした修繕費の未納も中古マンションの売買では留意しておきたいものです。中古マンションを仲介業者をとおして購入する場合には、宅建業法第35条の規定により、その業者は重要事項として「計画修繕積立金の定め及び積立額」と「通常の管理費」について買主に説明する義務を負っています。2つの事項で未納金額がある場合には、業者は買主に事前にそのことを伝えるように行政指導されています。登記簿等を調査したところ、住宅ローンの残債務があるといったような場合、売買契約はどのようにすればよいでしょうか。買主がその残債務を肩代わりして購入してくれる制度があれば便利この上ありません。このことを債務引受といいますが、民間金融機関は買主の債務引受を認めていません。したがって残債務を完済して抵当権を抹消した後に転売しなければなりません。公庫等の場合にも原則としては債務引受は認められていませんが、債務者の疾病、退職、転勤等の特別の事情がある場合には例外措置があります。融資後3年以上経過したもの、または債務引受後3年以上経過したものについては、公庫融資の適格者に限って認められています。住宅を買い換える場合、手持ち物件の売却前に購入しようとする物件の売買契約を締結しなければならない事態もままあります。これには買換えローンを利用することです。これは現在の物件を担保に融資を受け、その物件が売れた時点で返済する短期のローンです。購入しようとする物件に買換え特約をつけておくことが大事です。買主が決まって融資先の交渉もまとまっている場合には、売主とその売主に融資を行い残債権を持っている金融機関の担当者、さらに買主とその買主に融資を行う金融機関の担当者、それに双方の仲介業者、司法書士等が一堂に集まり、抵当権の抹消登記、所有権の移転登記、抵当権の設定登記、売主への代金支払い、買主への融資、ローン残債の決済、媒介手数料の支払いを同時に行います。